人が行う最大の愚行とは

私が初めて声を発したのはいつだろうと思いを馳せると、そのときそばにいた母と父の笑顔が浮かび、そこから今日に至るまでの1つ1つの瞬間が大きな絵巻物のように連なり、それぞれがキラキラと輝いているように感じた。そしてこの先、子どもたちや孫たちが生きる時間もまた、大きく広がっていく海原のごとく、水面がキラキラと輝いて見えた。私は、その例えようもない美しさに胸が震え、息が止まりそうだった。ひとりの生き物の中に潜んでいる長い時間の連なりは、なんびとたりとも手が出せない、ましてや戦争で全てなくすなんてことは、あってはならないこと。この美しい絵巻物がどれほど大切なものなのか、それを知らぬ輩がやってしまう最大の愚行である。