死とはなにか、自分とかなにか

子どもの頃、死ぬことが怖かった。あまりに怖いので、死を理解しようと思った。死によって何が失われるのか知ろうとした。それは、自分が何かを知ることだ。つまり私は、8歳からずっと「自分とは何か」という課題に取り組み続けていることになる。自分とは何か、死によって何が失われ、何が残るのか。とどのつまり、私が知りたいのはこれに尽きる。その答えを探す旅を続けているのだ。

母は死んだ。あの強烈な個性はどこに行ったのか。彼女が学んだ短歌、古文書、書道のことはどこに行ったのか。

元夫は脳をやられ、いろんなことを忘れた。今の彼は、かつての彼ではない。これからかつての彼に戻れる保証もない。となれば、彼は一度死んだのと同じなのか。そんな彼の中で、今も残っているものはあるのか。それこそが彼そのものなのか。