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熊本地震・天草の状況

 未だ安心できる状況ではないが、備忘録として今回の震災における天草実家の状況を時系列で記録しておこうと思う。

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・2016年4月14日21:26

 熊本で震度7地震あり。実家に電話するが、家の電話は通じず。携帯電話は通じたので母と話した。家の中はあまり揺れず、大丈夫だったとのこと。とはいえ、震度7という規模は侮れないので引き続き注意したほうがいいと伝えた。震源益城町。ピンポイントで、重大な被害が起きている様子。

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・2016年4月16日 2:30頃

 寝ていたら、父から電話。寝ぼけて出た上に、父も興奮気味で、なにを言っているのかわからない。しばらく聞いていると、「地震があった」「津波が心配」「高台に避難している」「停電しているので真っ暗」「情報がない」「津波警報は解除されたのか?」「テレビでどうなっているか見てほしい」ということらしい。 

 そこでインターネットで情報を検索。Twitterを見ると、「津波警報は解除された」とあったので、それを伝えた。電話のあといろいろ調べてみると、今回の地震震度6強で、阿蘇付近が震源マグニチュードは7.3で、14日の地震が6.5だから、かなりパワーアップしている。これは大変と夫を起こし、娘も起きてきたので、三人で朝5時半までテレビを見ていた。報道によると、14日地震の余震ではなく、まったく別の地震である可能性があるとのこと。14日が余震で、今回が本震なのではないかという見方もあるという。

・2016年4月16日 20:27

 夕方、父から電話。両親は、朝方一度自宅に戻ったが、津波が怖いので、今夜は近くの避難所に泊まるという。今夜、熊本は大雨が降る予想なので、私もそうしたほうがいいと進言。しかし夜になってもあまり雨が降らないので、「もう家に帰ってよかろ?」と父が電話。「こっちは平和そのもの。避難所に避難するほどでもない」という。私の頭の中を「正常化バイアス」という言葉がよぎる。「これから雨が降る。かなり降るから地盤が緩む。怖いから避難所にいなさい」と強く言った。電話の切り際、父は自宅に残してきた犬を心配するような言葉をつぶやいた。一緒に避難していると信じていた私はショックだったが、余計なことをいうとまた自宅に戻ると言いだしかねないので、口を閉じた。

・2016年4月17日 朝

 母から電話。「もう家に戻ってきたよ」と明るい声。なんで戻ったの、危ないから避難所に帰ったほうがいいと伝えても、「避難所は寝られん。寒いし」という。精神的ストレスに耐えかねて戻ってきたようだ。「雨が降ったあと、裏山は地盤が緩んで土砂崩れの恐れがある。犬と一緒に避難所へ」と言っても、「心配せんちゃよか」という。

 ネットを見ていると、両親が住んでいる場所は「避難準備情報」となっていた。この言葉は知らなかったので、意味を調べてみると、こういう意味らしい。

「避難準備情報」とは、人的被害が発生する災害の可能性がある場合に「災害時要援護者」を早期に避難させるために自治体が発令するもの。災害時要援護者ではない人々に対しては、避難準備情報を発令することで、避難を具体的に準備してもらうこと(Wikipediaより) 

  すぐに避難する必要はないが、心構えしておくべき場所ということだろうか。心配だが、両親はまったく避難所に戻る気はなさそうだ。

・2016年4月17日 21:50

 父から電話。彼にしては珍しく、長時間にわたって今の状況説明(かなり“大丈夫”バイアスがかかっている説明だった)と、自分の判断理由について説明。「自分の判断は間違っていない」と強調する。「それならそれでいい」と慰めるが、気持ちがなかなか治らない様子。彼の話を聞きながら、おそらく話の内容とは裏腹に、自分の判断に自信がないのではないかと想像する。その心細さを思うと、なんともいえない気持ちになる。近くにいれば、助けてやれるのだが…。

・2016年4月18日 9:10

 母に電話。とても具合が悪そうな声。彼女は腎臓が悪いので、ストレスが病状悪化につながる。「もう起き上がれない。私は何もできないので、父が買い出しに行った。少しでも食料を買っておかないと」と話していた。母の容態がとても気になる。

 ・2016年4月18日 16:30

 母の体が心配なので、こちらから天草実家まで迎えに行き、東京に連れて帰るという案を叔母を通じて打診してみたが、即座に断られてしまった。「この土地で、いつもと同じように平和に暮らしたい」というのが老夫婦の願いだ。であれば、その気持ちを尊重するしかない。