傘寿の祝い

父は今週末、めでたく傘寿を迎える。しかし、世間の傘寿のイメージからはほど遠く、今でも週に数回、ゴルフを楽しんでいる。健康診断では「どこも悪いとこなし」と医者に太鼓判を押されるほど元気。「傘」や「杖」や「ちゃんちゃんこ」を喜ぶとも、ましてや似合うとも思えない。つまり、傘寿になにをプレゼントすればよいかわからない。

さんざん悩んだ挙げ句、ついにギブアップし、今朝「あたには、杖もちゃんちゃんこも似合わんばい。誕生日には、なんが欲しかと?」と電話してみた。すると父は大笑いし、「なんが欲しかか、わからんばってん、やっぱりゴルフグッズやろな」とのこと。

「ばってん、ウェアもグローブも、ぼくがおらんと買われんでしょ(サイズがあるから)。だけん、商品券がよか。ゴルフボール1ダース分で、だいたい3000円くらいだけん、額は3000円がよか。ぼくが自分で買いに行くけん」。

……さすが、合理主義の権化。商品券を希望するだけでなく、その額まで決めてしまうとは。しかし、さらに彼はこう続けた。

「商品券も面倒だけん、口座に振り込んでもらったらよかばい。そっが、一番うれしか」。

その言葉を聞いて、私も大笑い。口座に振り込むだなんて、夢もロマンもなさすぎだけど、いかにも父らしい。

さんざん笑ったあとで「じゃ、そぎゃんさしてもらうばい」と電話を切ろうとすると、最後に「朝から楽しい電話をありがとう」と、父。どうやら、この電話が彼に取って一番のプレゼントになったようだ。思い切って「なんがよか?」と聞いてみてよかった。

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