「哲学ってなに?」という問いかけに

 先週土曜日、知人に会った時に聞かれた。「哲学ってなに? 人を幸せにする学問のこと?」。そのとき、とっさに答えられず、「それを学びに行くんだけど」とお茶を濁してしまったので、改めて。今読んでいる「井上円了の教育理念」によると、哲学の概念は次の通り。

 人間は肉体と精神の二面を持っている。肉体を練磨する方法として運動や体操があり、これによって健康を維持しているが、精神面でも同様のものが必要である。哲学はそのための学問であり、思想練磨の方法である。

 ニュートンの万有引力コペルニクスの天文学上の発見などは人間の思想活動によって想像力が高められた結果であるが、思想や精神は決して自然に発達するものではないので、身体を鍛えるのと同様に精神を訓練する必要がある。それが哲学を学ぶことである。

  本書によると、つまり思考力を鍛えるためのラジオ体操が哲学なのだ(←意訳しすぎ)。

 今は、ネットやSNSの普及で、誰もがなにかしら考えて情報を発信しているように見えるが、その実、その中身は誰かの話の受け売りだったり、情報をそのまま拡散しているだけで、実際にちゃんと考える習慣は少なくなってきているように見える(その情報源として活躍しているスマホの普及を手伝ってきた私が言うのも、かなりおかしな話だが…)。情報があふれる今の世にこそ、哲学が必要なのではないだろうか。