「さくら」という日記


 高校時代のクラブの先輩であり、今なお交友のある漫画家、今西精二さんの日記から引用。

人生の一時期、桜が美しいと思いかけた事があったが、最近は思わなくなった。全く美しさを感じなくなってしまったのだ。あまりにも桜桜と皆が騒ぐのも胡散臭い。やれどこが咲いたここが咲いたとNEWSになるのももはやうざい。『さくら』タイトルの歌が流行るのも馬鹿馬鹿しい。桜は自意識過剰であり、桜を愛でる人間は「桜が綺麗」と言っておけば波風立たないから言っているだけで、思考停止に陥っているようにさえ思う。何よりもいけないのは、桜は皆、人間が植えて完全管理している、『管理社会の象徴』だという事だ。

桜よりは雑草のほうが数倍美しい。雑草は闇雲に生えて華美なところはひとつも無く、ただ己が繁殖したいがために隙あれば根付く根性がいい。少々踏まれた位ではへこたれないし、何よりすばらしいのは誰も見ていないのに必要以上に頑丈に根を張り野放図に生えまくることである。そこに人間の意志は全く介在しない。それがいいのである。


 彼の日記の文章は、いつも非常に洗練されていて、パワーがあり、説得力がある。そして何より、とても正直だ。そんな彼の日記が好きで、長年愛読している。職業柄、イラストが全てアダルティなので、読む場所はそれなりに限られてしまうと思うが、もしご興味のある人はぜひアクセスを→THE SEIJI